【日常考察】きっかけは、何でもいい

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 私の場合、『新しい知識を得たい』となったときに、
 取っかかりになるのは、だいたい、ゲームだ。

 アカウントを消して久しいが、艦これをパパパと一緒にやっていた頃の名残は、今も光文社NF文庫として私の本棚に突き刺さっている。戦争史跡もよく回っていたし、図書館で戦時中資料や軍艦・戦闘機の資料もよく読み込んでいた記憶がある。
 実はそれと並行して参照すると楽しかったのが文アルで、艦これでは二度の対戦を経た『全世界規模での動き』と、当時の政権中枢と言っても遜色ない『軍部の動き』から歴史を調べるきっかけが作れ、じゃあ文アルは何に導くのかというと、私の場合は『市井の人々』という自国内のミクロな視点に繋ぐことができたのだった。
 文アルに出てくる文豪諸氏の中には第二次世界大戦を生き延びた人達も多く、戦時中の様子を書き残した作品も存在する。永井荷風先生の『断腸亭日常』は戦時期に書かれた分に当時の人達の服装だとか街の様子などが書かれた箇所が多く存在するし、特高に要注意人物として目を付けられていた中野重治先生の『終戦前日記』では、最後の方に予備兵役として長野で塹壕を掘らされている様子が記されていた。
 そしてその塹壕、何と艦これの方から繋がる資料で言及されている箇所があり、そこには米軍の本土上陸に備え、大本営が設置される予定だったという記述があった。ただし、使われる前にポツダム宣言で日本が降伏したので、掘っていたものは結局『ただの穴』で終わったが。

 何にしても、一見脈絡がなさそうでも、史実の方からリンクさせてみると濃密なまでに近・現代史を見返す楽しみのとっかかりにはなった。
 ただし、『ゲーム』として見た場合の出来は両方とも『やり込めばやり込むほど馬鹿らしい』ので、そちらは程々に嗜む程度にして、関連資料を読み込んだり図書館に足を運んだりする方が非常に有益なのは間違いない。
 そういう『新たな知識へのきっかけ』になる可能性がある意味では、史実ベースの擬人化ソシャゲにもいい面はあるし、一概に批判して忌避する存在に終わらせるのも、それはそれで勿体ない話なのかもしれない。

 適切に運用されているのが前提だが。