短めだけど本館も1個更新したし、気になってたAliExpressの記事も手直ししたし、
復帰戦としては上々なんじゃなかろうか。まだ咳がひどいけど。
で、『気になった事は素早く書き込む』を目標にして
Twitterにいろいろ書いてはどんどん投げる。
その中でイソジン(ポピドンヨード)買い占め騒動の話したけど、
最早、物事の表層しか見ないで安易に踊らされる人間と転売屋の話は
人間という種が滅びるまでこのまんまなんだろうなと思う。
ただ、せめて、
使おうとしている物がどういう物なのかは、知ろうよ。
『ポピドンヨード』と書いてある字の如く、この薬の主成分はヨード、
つまりはヨウ素が使われている。
ヨウ素の薬と言えば、うがい薬の他にも、外皮消毒剤としての『ヨードチンキ』が有名だ。
他にもX線撮影用の造影剤としても用いられる。
Twitterでもフォロワーさんと話をしていたが、
『イソジン品薄なら、錠剤のヨウ素はないの?』という話。
ある事はある。
が、使い方に関しては『諸刃の剣』。
対象疾患は、甲状腺機能が強すぎて過剰にホルモンが生成され続ける
『甲状腺機能亢進症(バセドウ病等)』と、放射線被曝。
東日本大震災の記憶がある方ならば、後者は検索するのに察しは付くと思われる。
で、どちらの場合も長期連用は絶対にしない。
甲状腺機能亢進症の場合は『メルカゾール』等の抗亢進剤が使えない時に一時避難的な用途で使うものだ。血中ヨウ素が過剰になると甲状腺ホルモンの生成が抑制される、『ウォルフ-チャイコフ効果』を利用してホルモン量を下げる。ただしこの効果、長続きはしないので、その後は手術による甲状腺全摘や放射性ヨウ素による治療に移る事になる。
放射線被曝の場合は『放射性ヨウ素の被害が及ぶ前に、非放射性ヨウ素で甲状腺を満杯にして取り込まれないようにする』というのが薬理目的なので、だいたい3日~7日程度の服用。
長期連用にはツイートで触れた甲状腺の機能低下やアレルギー発症の他、
中毒症状や『ヨウ素悪液質』という重い副作用も出る可能性があるからだ。
間違っても、『コロナ罹患予防』程度の目的で
簡単に飲んでいい代物ではないのがお解り頂けたと思う。
イソジンの製造会社が大阪にあるとか、利益誘導じゃないかとか、
そんな黒い噂も言い出したらキリがないけど、
何にしても、地上波報道を鵜呑みにした一部の情報弱者が手前判断で使った結果、
別の健康被害が起きるようになったら、それは行政がギルティだよ。
本当に効果が実証できたなら、
早急に用法用量に関しての情報を出して頂きたいものだが。
参考:おくすり110番・ハイパー薬辞典『ヨウ化カリウム丸50mg「日医工」』
日医工公式サイト・当該薬剤添付文書(PDF)